満月がとても綺麗な夜だな。
「あら!おぼろ月夜!」
なんて駅のホームでおばさんがはしゃいでいました。
明日からの「
ARTEVEKTOR アルテベクトル」に備え今夜もリハ。
普通前日は通しで終えるのだが、今日は随分つっこんだとこまで練習。いい感じで気が引き締まる、かな。
♪
昼は病院へ。火曜に行ったスーパー病院へ検査結果を聞きに。
やや白血球が多いらしい。
「ということは、体のどこかが弱っていて、で、戦っているわけですね?」
「そうです。喘息のアレルギーはありませんが、やはり肺になにかしらの菌がいると思われます」
「やっかいなんでしょうか?」
「いや、投薬で治ります」
「ハア」
先日とは違う先生だが、彼も優しさや甘さを排除した姿勢で患者に向かい合う。いい男だ。
「もう少し同じ薬で行きましょう」
こういう先生には圧倒的に従ってしまう。
「あ、でも肝臓と腎臓は全然大丈夫ですよ」
酒呑みの運命め、どうも気になっていて、でも言えなかったこと、心配事を、ハンサム先生はなにもかも理解したかのように
「フフ」
とクールに笑いながら言ってくれました。
♪
満月はどこにいても同じ顔で笑っている。でもどこか寂しそう。
スタジオの帰り、歩くのはだるいのでタクシーを待つ。
前後にはボロボロの酔っ払いたち。
なにもかもを、誰もかもを分かっている満月がとてもとても綺麗だった。
「フフ」
と月も笑っていました。