川崎のチッタで、バンボレオというキューバン・サルサの王道バンドのライブ会場で一仕事。
仕事場のある西荻から東京駅に出、
「タローさん!なんか古いタイプの電車だねえ!!なんか懐かしい!!」
と、同僚のラテン娘が言う、東海道線のボックスシートタイプの「列車」に乗り込む。旅気分。冷凍ミカンとビールが欲しくなる。真横を新幹線がビュビューと飛ばして行く。
「旅の役者と流れる雲は・・・・」
ではないが、どこに行こうとしているんだろう??速すぎる。
ジャズって速度が大切、と言ったのは阿部薫だったっけ?音の出る瞬間の速度、そういうもんをあのフリーコテコテサックスマンはこだわっていた、ハズ。そうそう、第一京浜の、トラックの爆音の中練習していたらしいね。
「ピーコリャ!グ・・・・・・ゥピーーーー」
うたた寝の同僚を横目に多摩川を渡る。ガタゴトガタゴト。
綺麗なんだか汚いんだか分かりにくい京浜地帯。そんな複雑な風景の河川敷では、野球の練習やサッカーの練習、、、ふむふむふむ。思えばこの河川敷のグラウンドで、白球を追いかけたのはもう、半年以上も前か?
仕事は上々。しかしクタクタ。
ラテン娘は関係者たちと呑みに行ったが、俺は帰る。寝不足。
寝不足の夜に見た夢って、ものすごく鮮明に覚えているもんだ。
フルカラーだし。新宿駅がテロみたいなやつで、パニックっている夢、昨日見た。何故か歩いて、西口に出ようとしたんだけど、もう新宿は港になっていました、テロみたいな奴で。そんな夢がまだ鮮明に・・・グハ。
帰りは南武線。6月のライブ以来。降りたり乗ったりを繰り返し、ゴッタ返す車内。ソコソコ空いてきたと思ったら、またまた多摩川越え。
ガタゴトガタゴトガタガタガタ。
今度の日曜日には8万人は哭くであろう府中競馬場を横目に乗り換える。府中近辺の秋の日曜の夜は、カオスでありジャンクであり天国であり地獄(笑)。
思えばレコード屋を辞め、この近くのビール工場で樽荒いの毎日だったのはいつの日か?
朝晩は寒くなった。乗り換えの電車を待つホームでガタゴト震える。やけに若い酔っぱらい娘にからまれる。
「どうしてええ、わたし、、、乗り次ぎキップ買えないのおお?おじさん!!(ややムカ)どうやんのよお!」
ウロウロしながら方々にそんなこと言っている。無視して電車を待つ。しかし娘さん、無事に帰ったかな?
普通電車が来て、またまた多摩川超え。
ガタガタガタガタゴトゴトゴトゴトゴト。
「今夜何度目??」
思えば・・・・いや、そうそう過去は出てこない。
明日の朝も、多摩川に繋がる浅川でミンとお散歩。
もう早朝は、吐く息が白いね。富士山も白化粧している。
思えば人生の三分の二以上は、毎日ガタゴトあの川を渡っていた?かもな、とか思ったら、
「なんだかねえ、」
と、前に座っている行商のようなオバサン。
「はあ」
わかりません。
いろんな思いが交錯しているね、秋の夜。