雨雨雨雨、ジトジトじとじと・・・・なんかキラキラ輝く音を聴きたいな、スティールドラムやヴィブラフォンもいいがもっと「サッパーーー!!」な音で気持ち良くなりたくて、で、今夜は「
マイラ・メルフォード」のピアノを聴く。90年代前半、ジャズ新宿の夜をキラキラと輝かせた異才女流ピアニスト(笑)。「
スイスのHat Hut Records」が一躍日本に登場したときの最高のヒットミュージシャンでした。
「マイラ聴いたか?」
「聴いた」
「凄いだろう??」
「ああ、とんでもない!ダグラスともやっているし・・・」
10数年前のG街のジャズバー親父との会話。マイラのピアノはかなりヤバイ代物。音色が今までのジャズピアノとはまったく違い、キラキラとしたミストのような感じで、突然傘に着いていたあり得ない色のてんとう虫のような感じで、雨の日の道を行くカラカラとした下駄の響きのような感じで・・・・
驚いた!多分マーク・ラパポートさんに最初は教えてもらったのだが、ちょっと凄いショックだった。
これはトリオの作品。しょっぱなからヒックス、メイバーン的な荒荒しさと美しさが同居するピアノを聴かせてくれる。ほんとにキラキラです。月の横で輝いているお星様をつかまえて!そんな感じ。性別があるんだから性別による音の違いももちろんある。男のジャズと女のジャズが違うのは当然。俺は女性の音楽観、ジャズ観、演奏観、がむしろ男とまるで違うことに凄く興味がある。
「タロー、お前ら若い奴らにこの親父の音の渋さはわからないだろう!」
「しかたないじゃん!」
G街のママとの会話。そう、音楽特にジャズなんてのは男と女で聴き方がまるで違う。男は月も星も見ているだけでも良いが、女は捕まえに行く、かな?すんません、アホです(笑)。
しかしアホでもキラキラは良い。クインテットでのこれ、凄いキラキラ。
永遠につかめない音、すぐソバにある音。
エリントンがマネー・ジャングルで示したキラキラなピアノ、それはたくさんのピアニストが継承したが誰もエリントンを超えることは出来なかった。でもマイラは「男のキラキラジャズは女には当てはまらん!」と簡単に超えちゃった。凄い音だ。
梅雨空では月も星も見えない。でもじっくり見ている音もある。隠れている音がしっかりと、見える音。