どうも目覚めの時から気分が悪い日もある。
散歩へ行っても、飯買っても、むかついている、イラついている。いいとは思わないし、イカンとも思わないし、そういうもんの日曜もあるし。
酒を止めてから、よく階段でつまづくようになった(失笑)。おかげで左足の土踏まず、キュリキュリしてますぜ。
空虚、という言葉は時には良くはない感覚で捉えられるが、わしは、嫌いな言葉ではない。完成された世界にはいたくない、空虚を空虚でなくする行為も、空虚だ。それでいい、かな?そうでないと、音の持つパワー、音だけではないか、いろいろ造り出す、そういうパワーかな?そういうもんが無くなってしまうだろうにね。な。ま、完成された故の空虚もたくさんあるか。逆もどり。
「
「ラジオのように」」を久しぶりに聴く。いいね。「
ブリジット・フォンテーヌ」のスキャットと「
マラカイ・フェイヴァース」がピタリとあう瞬間とか、たまらないねえ。これもブルーズだと思った。ロックもジャズもソウルもナンデも、ブルーズが基にあるものが好きだな。いまさらいまさら。
機嫌悪いまま仕事に向かい、水道橋で野暮用を済まし、地下鉄の駅まで歩く。神保町は毎度歩いてもたくさんの発見あっていいね。「Tony」にも久々におじゃま。昭和歌謡のシングルが¥5〜6000しててビックリ。紅潮した阿呆面のママそのまま小川町まで歩く。途中ビンテージギターショップに立ち寄る。
「「
SG」の65年ぐらいから70年ぐらいのって最近入りませんか?」
どう見てもギター一徹のマスターが言う。
「SG?う〜んあまりいい音しないよね〜でも人気あるよね〜」
ほうほう、いきなり先制パンチ?
「でもさあ、今の楽器とは鳴りが違いますよね。SGならシングルピックガード時代、64年頃のをせっかくなら探した方がいいよ。値は張るけどね。ピックアップはPAFで。断然鳴りが違う」
職人さんは匂いを感じてくれると話がはずむ。もちろん、わしがSGに対してどういう匂いをさせているか、それはわし以外の人の判断だが、オヤジさんは嬉しい事に30分ぐらいビンテージギターのなんたるかを教えてくれた。でも基本は52年のテレキャスと、180万のレスポール・スタンダートだって!ぎゃは。
「俺はさ、サラリーマン時代、年間¥230万の稼ぎの時に¥180万のスタンダート買ってさ、でもそれで良かったと思っているよ。まわりはバカだと言ったけどさ。でもいいんだよ。だからニイサンも今一番欲しい楽器買ったほうがいいよ。楽器は一生もんだよ」
凄く嬉しい言葉だ。楽しい時間をありがとさん。
こういう出逢いがあるから、歩くことは止められないよ。